社会情報学会北海道支部第3回研究会(2014年度) 開催のお知らせ

下記の要領で、本年度の研究会を開催いたします。どなたでも自由に参加いただけます。是非ともご参加くださいますようお願い申し上げます。

北海道支部長 大國充彦(理事、札幌学院大学)

日時:2015年3月5日(木)13:30-16:00
場所:札幌学院大学C館4階会議室(C館の4階の一番奥の部屋です)
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講演者: 藤井 史朗 (静岡大学情報学部 教授)

タイトル:「社会思想のメタロジックと『個人像』についての体験的思考」

要旨:本報告は、諸論者が、社会の何らかの全体像とそのもとでの個人のあり方をつなげて観察・分析・説明するような形での社会思想を構築・提供する際の背景的・前提的・潜在的な論理(メタロジック)と、その社会思想が提示している「個人像」の妥当性について、報告者の体験的思考をもとに吟味するものである。
 社会思想が、客観的な方法で対象観察的に構築される場合には「社会科学」とも称される。しかしその場合でも、そこで提示されている社会像と個人像のあり方(「社会と個人の関係」)は、対象的な現実世界の反映としてのみ批評され、検討されるべきではなく、むしろその構築主体のメタロジックの次元からも見ていくことの有効性について、本報告では指摘したい。加えて、このような「社会科学」が随伴させている「個人像」のあり様と、基本的な問題性について検討する。
 本報告が検討対象とする社会思想と、それへの着眼点は次の事項である。
・マルクス『経哲草稿』の自然哲学と人間像、そこでの「階級闘争」を介する未来社会像、ユダヤ教・キリスト教思想との異同性。
・エンゲルスの「科学的社会主義」の人間像と、布施グループの「マルクス主義社会学方法論」の前提的人間像。
・フォイエルバッハ『キリスト教の本質』が示す人間像と、初期マルクスの人間像との異同性。
・マルクスの「交換」概念、またブラウらの「交換理論」が前提する個人像の特徴。
・吉本隆明の3幻想論が示す社会と個人。
・「複雑性の縮減」を指摘するルーマン社会システム論の意味と、複雑性を拡大させる情報社会の傾向性の意味。

問合せ先 大國 充彦(札幌学院大学社会情報学部)