日程の概要

9月14日(金)

12:30-14:30 セッション1
14:40-17:10 基調シンポジウム1(実証)
17:20-18:20 (JSIS理事会)
18:30-21:00 若手カンファレンス

9月15日(土)

09:30-11:30 セッション2
11:30-12:30 JSIS総会
13:30-15:00 特別講演
15:10-17:40 基調シンポジウム2(理論)
17:50-18:20 表彰式
18:30-20:30 懇親会

9月16日(日)

09:30-11:30 セッション3
11:40-13:00 (SSI理事会)
13:00-13:50 SSI会員集会
14:00-16:00 セッション4
16:00-17:00 各種委員会
17:00-18:00 選考委員会

より詳しい日程については fileこちら(PDFファイル)をご覧下さい。

研究発表プログラム詳細

研究発表プログラムの詳細については fileこちら(PDFファイル)をご覧下さい。

ワークショップについて

WS1:「恋愛ドラマ等に見るケータイのメディア表象」

時間:9月16日(日)09:30〜11:30
場所:GC303

【趣 旨】
 本ワークショップは、恋愛ドラマ等に表現されてきたケータイの「歴史」を振り返りながら、現代のコミュニケーション状況を見つめ直す契機となることを目標としている。
 例えば、恋愛ドラマは、人間関係そのものを主なテーマとする物語の中で、(視聴者数の規模で比べれば)国内最大のコンテンツである。恋愛ドラマは、最大のコンテンツとして、大きな影響力を持ちつつ、浮沈を繰り返しながらも、絶えることなく定常的に制作され続けてきた。そこで描かれているのは、人と人の結びつきのプロセス、社会がもたらす様々な問題、そして、岐路に立つ主人公達の選択と決断である。多数の視聴者を取り込みながら、恋愛ドラマは次々と制作され続けているが、その中で、着々と変化し続けるのが、ドラマ内で用いられるケータイの役割と存在感である。
 現在では、人々がケータイを利用して人間関係を作り、維持・調整し続けることが当然になっていると言って良いだろう。では、このような「当たり前」はいつ頃から獲得されたのだろうか?ケータイが無い時代、あるいは嫌悪感をもたれていた時代を経て、いつ頃から、誰もが当たり前のようにケータイを利用するようになったのだろうか?また、人間関係を描く最大のコンテンツである恋愛ドラマは、ケータイをどのように取り入れてきたのか、そして、それが人々にどのような影響を与えてきたのだろうか?さらに、恋愛ドラマ以外のコンテンツとして、流行歌などはどのようにケータイの役割を表現してきたのだろうか?
 本ワークショップは、このような観点から、多角的に恋愛ドラマ等の表象とケータイの「歴史的変化」について総合的な議論を行う。以下の話題提供を予定している。

1. 恋愛ドラマに見るケータイのリアリティと身体性
2. 流行歌に見る恋愛表象とケータイとの結びつき
3. ケータイユーザの関係ネットワークの実態と恋愛ドラマ
4. ケータイ利用の「歴史」として見る恋愛ドラマとその展開

【司会】
中村隆志 (新潟大学)

【登壇者】
伊藤守  (早稲田大学)
谷本奈穂 (関西大学)
遊橋裕泰 (NTTドコモ モバイル社会研究所)
中村隆志 (新潟大学)

WS2:「東日本大震災における情報行動・消費行動と不安・安心意識」

時間:9月14日(金) 12:30~14:30
場所:GC309

 東京大学大学院情報学環・東洋大学社会学部・関西大学社会学部・NTTによる研究チームは、人々がインターネット利用に際して抱く「安心」と「不安」の意識に関する研究に取り組んできました。
 2011年度においては、東北地方太平洋沖地震の発生に伴い、大災害時だからこそ強く印象づけられた様々な不安と、それらの解消により浮き彫りとなった安心について、整理と分析を行うため、インターネット利用を1つの軸として、以下の調査を実施しました。

Webアンケート調査3件【(1) 対象:関東在住者 2,000名 (2) 対象:津波で被災した家族等がいる者 200名 (3) 対象:Twitter利用者 200名】
訪問留置調査1件 【(4)仙台市(若林区・宮城野区を除く)・盛岡市在住者 各200名】

 本ワークショップでは、上記の調査結果を踏まえ、以下に関する報告を行うとともに、参加者の皆さまとの質疑応答による互いの分析と研究の深化を図ります。

【コーディネーター】
橋元良明(東京大学大学院情報学環・教授)

【発表者および発表タイトル】
1. 千葉直子(日本電信電話株式会社 NTTセキュアプラットフォーム研究所)
  「仙台・盛岡における情報通信の利用実態と利用者心理」
2. 関谷直也(東洋大学社会学部・准教授)
  「仙台・盛岡における物流やライフラインの状況」
3. 小笠原盛弘(関西大学社会学部・准教授)
  「関東在住者による情報源の信頼性と有用性」
4. 山本太郎(日本電信電話株式会社 NTTセキュアプラットフォーム研究所)
  「東日本大震災におけるTwitter利用者の安心と不安意識」

WS3:「気仙沼のいま:情報の共有と長期的支援について考える」

時間:9月15日(土)09:30〜11:30
場所:GC309

【趣旨】
 2012年9月で東日本大震災から1年半が経つが、被災地は依然厳しい状況にあり、復興への道は遠く険しい。復興の長期化が不安視されるなかで、被災地に暮らす人々は、進まない復興への焦燥感と、人々の関心が薄れていくことへの不安を感じながら、震災前とは異なる非日常を日常として生活している。その一方で、被災地以外の人々は、被災地への復興が着々と進んでいると信じ、震災前と同じ日常の忙しさに没頭している。彼らも被災地の現状に無関心なわけではないが、マスメディアからの情報に頼っているだけで能動的に動かない限り、知り得る情報には限りがある。被災地の現状やニーズを知らぬまま、何か援助をしたいという思いを抱きつつ、それを具体的な形にできずにいる。
 気仙沼では「Act11.気仙沼」や「気楽会」など、街の復興に向けて立ち向かっているさまざまな団体があり、お互いに情報共有をしながら活動をしている。本ワークショッでは、そのメンバーをゲストにお迎えし、被災地の”いま”について情報共有しながら、将来に向けた復興のために、私たち一人一人の関わり方を探る場としたい。 バーチャルな世界での援助ではなくリアルな援助のために、さらに長期的な援助のためには何が必要なのだろうか。東日本大震災による被災からの復興のために、被災地との情報共有をしながら、情報共有と長期的支援のあり方について議論する。

【オーガナイザー・司会】
橋爪絢子(首都大学東京)

【報告者】(五十音順)
桑原吉成(Act11.気仙沼)
椎塚久雄(工学院大学)
本田ハワード素子(昭和女子大学)
三浦一樹(三陸新報社(記者))
・ワークショップ参加者の皆さまからの積極的な発言をお願いたします。

【Web】
気楽会の気仙沼日記(毎日更新)http://kirakukai.blog.shinobi.jp/

WS4:「Adoption of Social Networking (SNS の社会受容)」

時間:9月16日(日)09:30〜11:30
場所:GC309

[ Purpose & Abstract of This Workshop ]
  The purpose of this workshop is to provide early career scholars who do not have fulltime teaching positions an opportunity to give presentations in English and to exchange opinions with peers from various parts of the world.
  This year, we aim to focus on Social Networking and its adoption in society (or societies). Not only scholars but also ordinary people have begun to observe the impact of Social Networking Services (SNSs). What kind of change has SNSs created in our societies and our social relationships? This is our first question. In selecting the above theme for the workshop, however, we did not intend to limit the meanings of the words ‘social’ and ‘society’. This is because the societies and the social relationships which we refer to are quite different from each other, especially from an international perspective.
  So, when we say ‘SNSs change our social relationships’ or ‘SNSs have become widespread in our society’, at the same time we need to question the meaning of ‘society’ or ‘social’ relationships and their conditions. This question is probably one of the most fundamental issues in the field of Socio-Informatics. We will try to examine this challenging theme through various methods with young researchers from all over the world.

[ 趣 旨 ]
 本ワークショップ(若手英語ワークショップ)の目的は、常勤職を得ていない若手研究者に、英語で 自身の研究を報告し、世界中から集まる同世代の研究者との意見交換を行う機会を提供することにある。
 今年度は、SNS とその社会受容に焦点をあてる。具体的な例は措くが、SNS が社会的に多くのインパ クトをもたらしていることは、もはや衆目の事実である。「SNS は私たちの社会にどのような変化をもた らしているのか」、これが本ワークショップの最初の問いである。だが、このワークショップでは、「社 会Society・社会的Social」という言葉に制限を設けてはいない。SNS が受容される社会、またSNS がタ ーゲットとする人々の社会関係のあり方は、それぞれの国や地域で異なるからだ。
 ゆえに、「SNS が社会に受容され、私たちの社会関係を変容させている」と言われる場合、そこでの「社 会・社会的」という言葉が何を意味するかが併せて問わなければならない。社会情報学において重要な、 だが同時に挑戦的なこの主題について、本ワークショップでは世界各国の若手研究者ともに考察する。

Chair: Leslie Tkach-Kawasaki (Tsukuba University, Japan)

Presenters:
 01. Cristina Miguel (University of Leeds, United Kingdom)
   The Transformation of Intimacy and Privacy through Social Networking Sites
 02. Koen Leurs, (Utrecht University, Netherlands)
   Digital Passages. Moroccan-Dutch Youths Performing Diaspora, Gender and Youth Cultural Identities across Digital Space
 03. Fan Mai (University of Virginia, USA)
   Straddle Two Worlds: The Use of Social Networking Sites among Chinese Expatriates in United States
 04. Ya-Hui Hsu & Wenchang Fang (Ming Chuan University & National Taipei University)
   A Cross-National Empirical Study of Social Network Sites: Cognitive Absorption, Network Externalities, and TAM Perspectives [Invited Presentation]

WS5:「ゲーム依存症の対策を考える」

時間:9月16日(日)14:00〜16:00
場所:GC309
 ※ 本ワークショップは無料公開となっております(都合のため下記内容は9/4に一部修正しました)。

【本ワークショップの趣旨】
 情報環境が整備され、いつでもどこでもインターネットにつながっている現代社会の状況は、大 きな利便性をもたらすと同時に、新たな問題を発生させている。その一つがネット依存、とりわけオ ンラインゲームへの依存の問題である。コンピューターゲームは、登場した当時から長時間利用が 問題視されていたが、オンラインゲームの登場以降は問題性の構造そのものが変わってきている 可能性がある。
 青少年がひと月に数十万円もの料金を課金されている実態が問題視され、消費者庁が動くこと になったソーシャルゲーム(コンプリートガチャ)の問題は記憶に新しいが、わが国におけるゲーム 依存の実態はまだまだわかっていない部分が多い。韓国や中国ではオンラインゲームを長時間続 けた結果本人が死亡したり、子どもを死なせたりする事件が報道され、社会問題にもなっている。 本ワークショップは、各方面でこの問題に取り組んでおられる研究者・専門家をお呼びして、わが 国におけるゲーム利用/ゲーム依存の現状を確認し、どのような対策が必要なのかを探究する試 みである。
 登壇していただくのは、国内で初めてネット依存治療部門(TIAR: Treatment of Internet Addiction and Research)を設けて治療と研究を進めておられる久里浜医療センターの三原聡子臨 床心理士、青少年のネット利用の問題に積極的に向き合ってこられた高崎市教育委員会の伊藤 洋一社会教育主事、ネット依存/ゲーム依存を研究しておられる東京大学の堀川裕介先生、同じ く愛知工業大学の大嶋啓太郎先生である。

【司会】
伊藤賢一 (群馬大学)

【登壇者】
三原聡子(久里浜医療センター)
伊藤洋一(高崎市教育委員会)
堀川裕介(東京大学)
大嶋啓太郎(愛知工業大学)

WS6:「複合メディア環境におけるスクリーンの遍在―『メディアコンプレックス』と考古学の視点から」

時間:9月16日(日)14:00〜16:00
場所:GC303

〔趣旨〕
 1990年代以降、情報技術の加速度的な発達、デジタル化、ネットワーク化によって、私たちは様々なメディアを通じて日々絶え間なく情報にさらされるようになった。こうした多様な情報を視覚化すると同時に、私たちの身体とのインターフェイスになっているのが、さまざまな形態の「スクリーン」である。私たちは、都市に据えられた巨大な映像広告を眺め、携帯電話やゲーム機、音楽再生装置のモニターを携帯しながら歩いている。日常生活だけでなく、教育や報道、ビジネスや医療の現場においても、スクリーンによる情報の視覚化の諸技術は欠かすことができない。
 こうした現状に伴って、社会学、メディア研究を中心に、PC、ケータイ電話といった新たなメディアの受容に関する研究の蓄積も進んでいる。ところが一方で、既存の研究は依然として先行するメディアの「ジャンル」によって分断されており、むしろ日常の私たちのメディア消費が、携帯電話の液晶やPCのモニターといった「スクリーン」という物質的なインターフェイスによって画一化されつつあることに対しては、充分な注目がなされてこなかった。そこで、本ワークショップでは「スクリーンの偏在」という視点から、現代のメディア社会を読み解くうえでの論点を抽出し、広く議論の素材として提供したい。とりわけ、現代的な視点としては日常的な空間そのもののメディアによる構造化を、また歴史的な視点としてはスクリーンというインターフェイスの変容を中心に検討を進める。
 第一報告者の光岡は、これまでミュージアムという空間を「メディアコンプレックス」として概念化することに取り組んできた。そもそも、ミュージアムは、「スクリーン/視覚メディア」「音響装置/聴覚メディア」「説明パネル/テクストメディア」など複数のメディアによって重層的に構造化された一つのメディア形式である。しかし、このような複合的なメデイア環境は、ミュージアム固有の構造ではない。現代においては、ショッピングモールや空港、電車の車内といった公共空間においても、それぞれに固有なメディアコンプレックスが出現しているのである。今回の報告では、こうした現代における「メディアコンプレックス」を、「スクリーン」の視点から分析する。
 第二報告者の大久保は、これまで19世紀転換期の映像文化の多様な形態を分析してきた。現代の映像文化の特徴は、スクリーンの遍在、多様化、複合にあるといわれているが、こうした「映画以後」の状況は「映画以前」や「初期映画」の時代の映像文化にも観察される。例えば、19世紀には幻燈(magic lantern)と呼ばれる映像の投影装置が存在したが、この装置は娯楽だけでなく、教育、報道、野外広告などに用いられた。また1920年代までの初期映画は、弁士の語りやパフォーマンスとともに上映されるなど、多様な上映形態を有していた。今回の報告では、こうした多様な映像の歴史研究が、現代の「スクリーン」の研究に与えるインパクトについて分析する。

〔司会〕
毛利嘉孝(東京藝術大学)

〔登壇者〕
光岡寿郎(日本学術振興会)
大久保遼(東京大学)


Last-modified: 2012-09-04 (火) 17:11:26 (2m)