事前案内

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「シンポジウム」のご案内
「特別講演」のご案内
「ワークショップ」のご案内
「若手カンファレンス 2012」のご案内

「シンポジウム」のご案内

社会情報学と世界―新たな共有と創造に向けて(実証篇)

日時:9月14日(金):14:40~17:10
場所:群馬大学教養教育GB棟 GB155教室

●企画趣旨
廣松毅(情報セキュリティ大学院大学)
 社会情報学の対象が「社会情報」であると考えるならば、それに対して「そもそも社会情報とは何か」という観点からアプローチする方法と「社会情報が現実の社会においてどのように使われ、どのような機能を果たしているのか」という観点からアプローチする方法とがあるであろう。このシンポジウムでは、主として後者の観点から、報告者の方々にそれぞれのご専門のお立場から見たときの「社会情報」とはどのようなものか、その「社会情報」の果たしている機能・役割、そして「社会情報」を対象とする社会情報学のあり方について、お話をいただいた上で、コメンテーターの方も交えた討論を行う予定である。前者の観点からは、別途、理論系のシンポジウムが予定されている。
 一般に、社会ないしは時代が大きく変わろうとしているときの学術研究とは、まず、変化に敏感な人々(いわゆるフロントランナー)の意識・行動の変化、そのような人々の実践を観察・調査して、その結果を一般化・抽象化して仮説的な理論の構築を行い、その理論を現実に当てはめて検証をしながら改良を加えていくというプロセスを辿るものであろう。現在の社会情報学は、まさにそのプロセスの真っただ中にある。その際、実証的に観察・調査を行い、理論を検証していくというアプローチはきわめて強力な武器である。
 ただし、今回は「社会情報」の分野全体をカバーするという網羅的なスタンスではなくて、具体的な事例に沿った形で議論を進めることにしたい。具体的に取り上げるトピックスは、個人の情報行動の変容、公共データが社会・企業に与える影響、匿名コミュニケーションの支援、情報開示ゲームを例としたモデリングである。もちろん、報告者の方々には、それぞれの実証的な分析事例あるいは実践的な試みの議論の中で、東日本大震災時およびそれ以降に果たした「社会情報」の役割についても、ご専門のお立場からお話をいただく予定である。

●報告者(順不同、敬称略)
太田敏澄(電気通信大学)
橋元良明(東京大学)
村上文洋(三菱総合研究所)
岩井淳(群馬大学)

●司会
廣松毅(情報セキュリティ大学院大学)

●コメンテーター
富山慶典(群馬大学)

社会情報学と世界―新たな共有と創造に向けて(理論篇)

日時:9月15日(土):15:10~17:40
場所:群馬大学教養教育GB棟 GB155教室

●企画趣旨
正村俊之 (東北大学)
 1980年代から90年代にかけて現代社会論をリードしてきた情報社会論は、21世紀に入って勢いを失ってしまった。しかし、現代社会が情報社会としての様相を深めたのは、むしろ情報社会論のブームが過ぎ去ってからである。産業革命が社会に質的変化をもたらしたのは、技術革新が起こって30年以上経過した後であったが、情報化の影響もそれに類似している。情報化が本格的に始まるのは、コンピュータがネットワークとして利用される80年代、特にインターネットが広く民間に開放された90年代である。それから2,30年が経過した今こそ、情報化の意味が問われなければならない。
 情報化とグローバル化がもたらした変化は、単に国境を越えたヒト・モノ・カネの流れを加速しただけではない。近代社会は、近代国家を単位にした国家間システムを形成してきたが、情報化とグローバル化は、国内・国外の両面から近代社会のあり方を変容させてきた。21世紀に入って世界史的な出来事―2001年の「9.11同時多発テロ」、2008年の「世界金融危機」、そして2011年の「(原発事故を含む)東日本大震災」―が起こったが、こうした出来事の背後で進行している、現代社会の変容を情報的視点から解明することが求められている。
 日本社会情報学会(JASIとJSIS)が設立されて以来、社会情報学は、情報化とグローバル化に導かれた現代社会の研究に取り組んできたが、社会情報学会(SSI)が設立された今年は、第1回学会大会として「社会情報学と世界―新たな共有と創造に向けて」というテーマで二つのシンポジウムが開催されることになった。このシンポジウムでは、現代社会は社会情報学の視点からどのように捉えられるのか、社会情報学はどのような学問的特質を備えているのか、そして社会情報学は現代的な知の創造に対していかなる貢献をなしうるのかといった問題を検討する。社会情報学の理論枠組みを提示し、それを基に現代社会を読み解くことがシンポジウムのねらいである。
 報告者として、本学会会長の伊藤守氏(早稲田大学)、副会長の遠藤薫氏(学習院大学)、米山優氏(名古屋大学)、伊藤賢一氏(群馬大学)をお呼びする。伊藤守氏と遠藤氏がメディア研究に主軸を据えた現代社会の研究を進めてきたのに対して、伊藤賢一氏は現代社会における公共圏や個人化に関する研究を行ってきた。一方、米山氏は長年ライプニッツ研究に携わってきた。ライプニッツは、現代のコンピュータに繋がる二進法計算機の原理を考案しただけでなく、彼の哲学的見解を表明した「モナドロジー」は情報学の先駆的な理論ともいえる。四人の理論的な報告に対して、情報経済の実証研究に携わってきた田中秀幸氏(東京大学)に実証的な視点からコメントしていただく。
 こうした多様な立場に立った研究者間の対話をつうじて社会情報学の新たな姿を模索していきたい。

●報告者(順不同、敬称略)
伊藤守(早稲田大学)
遠藤薫(学習院大学)
米山優(名古屋大学)
伊藤賢一(群馬大学)

●司会
正村俊之(東北大学)

●コメンテーター
田中秀幸(東京大学)

「特別講演」のご案内

世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」について

演題:「富岡製糸場と絹産業遺産群の概要と世界遺産登録への取り組みについて」
講演者:群馬県企画部世界遺産推進課長 松浦利隆 氏
講演概要:
 富岡製糸場と絹産業遺産群の概要
 ・顕著な普遍的価値
 ・各構成資産の概要
 世界遺産登録への取り組み
 ・取組の経緯
 ・現在の状況
 ・今後のスケジュール
 その他

演題:「富岡製糸場世界遺産伝道師協会の伝道活動について」
講演者:富岡製糸場世界遺産伝道師協会会長 近藤功 氏
講演概要:
 富岡製糸場世界遺産伝道師協会の概要
 ・設立の目的、経緯
 ・組織
 ・会員数
 伝道活動の内容
 ・活動実績
 ・伝道活動のメニュー
 ・支部活動
 ・ワーキンググループの活動
 他団体との連携
 ・シルクカントリーぐんま連絡協議会
 その他

「ワークショップ」のご案内

 WS1: 恋愛ドラマ等に見るケータイのメディア表象
 WS2: 東日本大震災における情報行動・消費行動と不安・安心意識
 WS3: 気仙沼のいま:情報の共有と長期的支援について考える
 WS4: Adoption of Social Networking
 WS5: ゲーム依存症の対策を考える
 WS6: 複合メディア環境におけるスクリーンの遍在―「メディアコンプレックス」と考古学の視点から

 詳細はプログラムの欄に掲示します。
 なお,上記のうちWS5は無料公開となっております。(大会参加費を支払われなくても,どなたでもご参加頂けます。)

「若手カンファレンス」のご案内

2012 年度テーマ「研究活動支援ツールとしてのSNS:利活用のための理解と可能性の検討」

日時:2012 年9 月14 日(金)18:30~21:00 場所:群馬会館広間

●若手カンファレンスについて
 昨年度までの日本社会情報学会(JSIS&JASI)合同研究大会では「プレカンファレンス」という名称で行われ てきましたが、社会情報学会(SSI)設立後初の学会大会である今年度は、「若手カンファレンス」として開催されることとなりました。昨年度までと同様に、全国から社会情報学研究の若手とベテランが集い、リラックスした雰囲気の中で議論や交流を深め、そのユニークな方法・アプローチによって学会の発展に寄与することを目的としています。企画・運営は若手研究者を中心とした若手研究者支援部会(通称BJK)のメンバーを中心に行わ れますが、ぜひ幅広い立場の会員のみなさまに足を運んでいただき、社会情報学研究を発展させていくきっ かけにできればと考えております。みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げております。

●今年度のテーマについて
 今年度の若手カンファレンスは、「研究活動支援ツールとしてのSNS」をテーマとします(ここでの「研究活動」は、研究の内容面での情報収集や情報発信だけでなく、研究職としてのキャリアップやネットワークの開拓を含みます)。学術誌への投稿や学会大会での研究発表・社交は、研究者どうしのコミュニケーションの主たるものですが、それを補完するために、各研究者の研究や本人についての情報を収集することがしばしば行われま す。その点で、活動や研究業績を常に分かりやすくまとめておくことが重要ですが、個人ホームページの構築 と運用は若干ハードルが高いかもしれません。しかし、フォーマットが用意されているSNS を利用すればそれが 容易になるだけでなく、検索や関連情報のリコメンドという点で効果的だという一面があります。当日は、複数のサービスについて、あるいは複数の立場から数名が話題提供をしたうえで、参加者間で実際の利活用や(研 究活動で)SNS を利用することの可能性・課題について議論できればと考えています。

●司会
寺地幹人(国際大学GLOCOM)

●登壇予定者
谷口正樹 (Change Osaka 編集長、『LinkedInをビジネスに使う本』著者)
Han Woo Park (ヨンナム大学)
河野義広 (東京情報大学)
平松純一 (拓殖大学)

●スケジュール[予定]
18:30~18:40 企画趣旨の説明など
18:40~20:30 各登壇者から20~30 分の講演
20:30~21:00 ディスカッション

※ 軽食をつまみながらの歓談形式です。軽食実費として有職者1000 円、学生(非常勤)500 円が当日かかりま す。(軽食を取られない方や自分で持参される方は無料でも参加可能です。ですが、企画の趣旨として是非 お支払いにご協力頂ければと思います。)

※ 全国各地からお越しになるみなさまの、「地元名産品」の持ち寄りを歓迎します!生ものはお控えください。

※ BJK では、企画・運営にご協力いただける方を随時募集しています。大妻女子大学柴田(k.shibata[at]otsuma.ac.jp)までご連絡ください。


Last-modified: 2012-09-12 (水) 18:35:11 (1m)